ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドーソン」の意味・わかりやすい解説
ドーソン
D'Ohsson, Abraham Constantine Mouradgea
[没]1855. ベルリン
スウェーデンの外交官,歴史家。アルメニア系。『チンギス・ハンからチムール・ベイすなわちタメルランにいたるモンゴル族の歴史』 Histoire des Mongols,depuis TchinguizKhan jusqu'à Timour Bey ou Tamerlan (通称『ドーソン蒙古史』,4巻,1834~35) を著わした。アラビア語,ペルシア語,トルコ語,シリア語など十数ヵ国語の根本史料二十数種を駆使し考証精密で,出典を明示し,現在も利用されている。また『10世紀におけるカフカス,黒海,カスピ海北方の諸民族,あるいはアブル・カシムの旅行記』 Des peuples du Caucasse et des pays au nord de la Mer Noire et de la Mer Caspienne,dans le Xe siècle,ou Voyage d'Abouel-Cassim (28) も著名。
ドーソン
Dawson, Christopher Henry
[没]1970.5.25. バドリーソルタートン
イギリスの宗教哲学者,宗教史家,文明評論家。オックスフォード大学卒業後,1914年カトリックに改宗。宗教が社会と個人の精神的根底であるという思想から,社会学と宗教哲学の境界上の問題,特にヨーロッパ文明における宗教的なものの働きを研究。また進歩の観念による宗教の世俗化がヨーロッパの没落の原因であるとして近代批判を展開。主著『進歩と宗教』 Progress and Religion (1929) ,『ヨーロッパの形成』 The Making of Europe (32) ,『宗教と近代国家』 Religion and the Modern State (35) など。
ドーソン
Dawson
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