ナイルの放物線(読み)ナイルのほうぶつせん(その他表記)Neil's parabola

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナイルの放物線」の意味・わかりやすい解説

ナイルの放物線
ナイルのほうぶつせん
Neil's parabola

地球自転を考慮したときに,自由落下する物体は東向きのコリオリの力のために少し東へかたよって落下するが,そのとき描く経路ナイル放物線という。東向きに y 軸,鉛直上向きに z 軸をとり,地球の自転角速度を ω ,重力加速度g とすれば,緯度 λ の地点で高さ h の塔から初速ゼロで落下する物体の経路は次の式で与えられる。
これは二次曲線の放物線ではない。塔の直下から落下地点までの距離は である。東京タワーの頂点 (高さ 333m,緯度 35°38′) から物体を落下させると y0=10.8cm である。このかたよりを実測すれば地球の自転が確認されるが,風や空気抵抗の影響が大きいので,実験により確かめることはできない。

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法則の辞典 「ナイルの放物線」の解説

ナイルの放物線【Neil's parabola】

地球上における落体の運動が,自由落下状態で地球の自転の影響を受けて描く経路をいう.落下の初期点を含む鉛直線東方へ向かう直線とを含む鉛直面内で,原点地表にとり,鉛直上方へ z 軸,東方向へ y 軸をとったとき,落体の運動経路は

のような放物線となる.これをナイルの放物線という.ここで ω は地球自転の角速度,β は緯度,h は落下し始めの点の鉛直高度,&scriptg;重力の加速度である.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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