なんかくらん(読み)ナンカクラン

デジタル大辞泉 「なんかくらん」の意味・読み・例文・類語

なんかく‐らん

ヒカゲノカズラ科常緑多年生シダ。亜熱帯性の森林にみられ、樹幹などに着生。茎は垂れ、披針ひしん形の葉が密生。葉の付け根に、腎臓形胞子嚢ほうしのうをつける。

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精選版 日本国語大辞典 「なんかくらん」の意味・読み・例文・類語

なんかく‐らん

  1. 〘 名詞 〙 シダ類ヒカゲノカズラ科の常緑多年草。八丈島紀伊半島以南の亜熱帯性森林の樹幹に着生する。茎は二~四回叉状に分かれて垂れ、長さ二〇~四〇センチメートルぐらいになる。葉はごく小さな披針形で先はとがり、ふつう縦に六列に密生する。枝の先端から長さ五~一五センチメートルの胞子穂をだす。胞子葉は茎部の葉よりも小さく、葉腋に腎臓形の胞子嚢(のう)をつける。〔物品識名拾遺(1825)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「なんかくらん」の意味・わかりやすい解説

ナンカクラン
なんかくらん
[学] Lycopodium fordii Bak.

ヒカゲノカズラ科の常緑性シダ。茎は垂下して2、3回分岐し、披針(ひしん)形の小葉が螺旋(らせん)状につく。胞子嚢穂(のうすい)は顕著でない。伊豆半島以南に産し、暖地樹林下の多湿の岩や樹幹に着生する。東南アジアインドにもみられる。観葉植物としても栽植される。ヨウラクヒバL. phlegmariaはナンカクランに似ているが、より大形で、葉が卵披針形であることと、胞子嚢穂が明確なことで区別できる。

[栗田子郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「なんかくらん」の意味・わかりやすい解説

ナンカクラン
Lycopodium fordii

ヒカゲノカズラ科の常緑性シダ植物。伊豆半島,紀伊半島から四国にかけて,また,伊豆七島の八丈島以南の森林中に着生する。茎は 20~40cm,2~3回二叉分枝する。下部多数の根がつく。葉は密生する。枝先に5~15cmの胞子穂を出す。

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