日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナンヨウアブラギリ」の意味・わかりやすい解説
ナンヨウアブラギリ
なんようあぶらぎり
[学] Jatropha curcas L.
トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の落葉大低木。別名タイワンアブラギリ。熱帯アメリカ原産で、高さ5メートル前後。葉は径7.5~15センチメートルの円形で3~5裂し、平滑で長柄がある。雌雄異株。花は黄緑色、小形で、やや房状の集散花序につく。花期後に長さ3~4.5センチメートルで長楕円(ちょうだえん)形の果実をつける。種子に有毒成分を含むが、下剤や吐剤に用いるほか、バイオディーゼル燃料、機械油やせっけん材料として用いる。同属のサンゴアブラギリ(トックリアブラギリ)は茎が短いとっくり形の多肉質で、夏から秋に朱赤色の小花をつけ、多肉植物として広く愛好される。
[植村猶行 2020年6月23日]