にあんちゃん(読み)ニアンチャン

デジタル大辞泉 「にあんちゃん」の意味・読み・例文・類語

にあんちゃん

昭和34年(1959)公開日本映画監督今村昌平。昭和33年(1958)に刊行されベストセラーとなった10歳の少女安本末子日記を、今村監督と池田一朗(のち隆慶一郎)が脚色して映画化炭鉱の町を舞台に、両親を亡くした兄弟たちが貧しくもたくましく生きていく姿を描く。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「にあんちゃん」の意味・わかりやすい解説

にあんちゃん

10歳の少女安本末子(やすもとすえこ)の日記。1943年(昭和18)に九州で生まれた朝鮮民族の一少女が、炭鉱労働者だった父母を失い、きょうだい4人の貧しい生活のなかで毎日欠かさずにつけていた日記で、58年「カッパ・ブックス」の一冊として出版され、ベストセラーとなった。貧乏と民族差別のなかにありながらナイーブな眼(め)を失わない少女の生活記録で、当時の生活記録運動にも刺激を与えた。題名は二番目の兄の呼び名による。出版の翌年に今村昌平(しょうへい)監督の手で映画化もされ、芸術祭賞を受けた。

上笙一郎

『『にあんちゃん』(講談社文庫・ちくま少年文庫)』『高史明「にあんちゃん」(朝日ジャーナル編『小さい巨像』所収・1974・朝日新聞社)』

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デジタル大辞泉プラス 「にあんちゃん」の解説

にあんちゃん

1959年公開の日本映画。監督・脚色:今村昌平、原作:安本末子、脚色:池田一朗、録音:橋本文雄。出演:長門裕之、松尾嘉代、沖村武、前田暁子、小沢昭一吉行和子ほか。第10回ブルーリボン賞主演男優賞(長門裕之)、助演男優賞(小沢昭一)受賞。第14回毎日映画コンクール録音賞、女優助演賞(吉行和子)受賞。

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