ニンバールカ(読み)にんばーるか(英語表記)Nimbārka

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニンバールカ」の意味・わかりやすい解説

ニンバールカ
にんばーるか
Nimbārka

生没年不詳。14世紀、インドベーダーンタ学派哲学者で、ヒンドゥー教ビシュヌ派の一派ニンバールカ派の開祖。出身は南インドのテルグ地方であるが、北インドで活躍した。著作には、『ブラフマ・スートラ』の注釈、『ダシャ・シュローキー』などがある。ブラフマン(梵(ぼん))と個我・物質世界とは実在であり、両者は不一不異であると説いた。また、ブラフマンをクリシュナ神と同一視して、クリシュナとその愛人ラーダーへの信仰ベーダーンタ哲学で根拠づけ、神へのいわゆる恋愛的信愛による解脱(げだつ)を初めて説いた。

[島 岩 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニンバールカ」の意味・わかりやすい解説

ニンバールカ
Nimbārka

13~14世紀頃のインドの哲学者。ベーダーンタ学派の立場に立って『ブラフマ・スートラ』に注釈"Vedānta-pārijāta-saurabha"を著わした。ブラフマンとアートマンとは離不離 (両者は異なってはいるが,全然別のものでもない) の関係にあると説いたことから,彼の学説は不一不異 bhedābhedaといわれる (→不一不異説 ) 。

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