ネーメト(その他表記)Németh László

改訂新版 世界大百科事典 「ネーメト」の意味・わかりやすい解説

ネーメト
Németh László
生没年:1901-75

ハンガリー作家。《ホルバート夫人死す》(1925)で《ニュガト西方)》誌の賞を得たが,1932年袂を分かち,雑誌《証言》を創刊し,民衆派作家の理論的支柱となる。小説《罪》(1936)では,貧しい日雇いと知識人の出会いを通して農村と知識人の問題を扱った。地方の知識人家族を3世代にわたって描き出した長編《エーゲテー・エステル》(1956)などで戦後ハンガリー文壇の第一人者となった。ほか社会劇歴史劇エッセーもある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネーメト」の意味・わかりやすい解説

ネーメト
Németh László

[生]1901.4.18. ナジバーニャ
[没]1975.3.3. ブダペスト
ハンガリーの作家,評論家。初め歯科医や校医生活をしたが,若い頃から雑誌『西洋』に寄稿して認められ,1932年には雑誌『証人』 Tanúを発刊し,「民衆派」作家の理論的指導者となった。第2次世界大戦後のハンガリー文壇の長老として,国際的にも広く知られている。地方町の生活を扱った心理小説が多く,おもな作品には,長編小説『喪』 Gyász (1936) ,『罪』 Bün (36) ,『懼れ』 Iszony (47) ,『エーゲテー・エステル』 Égetö Eszter (56) などがあり,歴史劇,社会劇の作品も多い。

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百科事典マイペディア 「ネーメト」の意味・わかりやすい解説

ネーメト

ハンガリーの作家。1920年代に西欧的手法の小説で《ニュガト(西方)》誌に注目され,頭角をあらわすが,1930年代には民衆派に転じ,雑誌《証言》に拠って,グループの理論的支柱となる。貧しい農民と知識人の出会いを描いた小説《罪》(1936年)や地方知識人を三世代にわたって描いた長編小説《エゲーテー・エスエル》(1956年)のほか,劇作やエッセーがあり,戦後ハンガリー文学の第一人者と評価された。

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世界大百科事典(旧版)内のネーメトの言及

【ハンガリー】より

…しかし1989年以後,これは半民営化され,市場経済の中に組み込まれようとしている。 文化活動では,リスト,コダイ,バルトークの伝統を引き継いだ音楽,ペテーフィ,アディ,イエーシュ,ネーメト,モーリツらの伝統を受けた文学など,多彩なものがある。いずれの分野においても,都市的な〈近代主義〉と農村的な〈人民主義〉の2要素の対抗関係で語られることが多い。…

※「ネーメト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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