ハマヒルガオ(読み)はまひるがお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

ハマヒルガオ
はまひるがお / 浜昼顔
[学] Calystegia soldanella (L.) R.Br.

ヒルガオ科(APG分類:ヒルガオ科)の多年草。白く、じょうぶな地下茎が砂の中をはう。葉は互生し、腎円(じんえん)形で厚く、光沢がある。5~6月、長い花柄を出し、淡紅色でヒルガオに似た漏斗(ろうと)状の花を開く。果実球形、中に堅く黒い種子があり、海流にのって運ばれる。日本全土の海岸砂浜に野生するが、ときに内陸湖畔川原にも生え、ユーラシア大陸、北アメリカ西部、南アメリカ、オセアニアの海岸に広く分布する。

[高橋秀男 2021年6月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

ハマヒルガオ(浜昼顔)
ハマヒルガオ
Calystegia soldanella; sea bells

ヒルガオ科の多年草で,旧大陸の海岸の砂地にきわめて広い分布をもつ。茎はつる性で砂上を長くはい,しばしば群落をつくる。葉は有柄で互生し,径3~5cmのやや幅広の腎臓状円形で厚く,光沢がある。花は5月頃開き,葉より長い花柄の頂に径約 5cmの淡紅色の花をつける。萼は5片で,下部は広い2枚の包葉で囲まれる。花冠は径 5cmほどのやや角張った漏斗状となり花筒は太い。 蒴果は丸い。

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百科事典マイペディア 「ハマヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

ハマヒルガオ

ヒルガオ科の多年草。日本全土,および世界に広く分布し,海岸の砂地に群生する。地下茎は砂中をはい,茎はつる性となる。葉は長柄があって互生し,腎臓形で,厚く,光沢がある。5〜6月に淡紅色のヒルガオに似た花を開く。果実は球形で,種子は黒い。
→関連項目海岸植物

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世界大百科事典(旧版)内のハマヒルガオの言及

【ヒルガオ(昼顔)】より

…若芽は食べられ,全草は薬用にもされる。ハマヒルガオC.soldanella R.Br.(英名sea bindweed,sea bells,scurvy grass)は暖地の海岸砂浜に多く,茎は地表や地下を横走し,円腎形の葉をもっている。世界に広く分布する。…

※「ハマヒルガオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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