ハルシャ・ヴァルダナ(英語表記)Harṣavardhana

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ハルシャ・ヴァルダナ」の解説

ハルシャ・ヴァルダナ
Harṣavardhana

生没年不詳(在位606~647)

古代インドプシュパブーティ朝の王。ベンガル王シャシャーンカに討たれた兄の跡を継ぎ,姻戚関係にあったマウカリ朝を併合して,ガンジス川流域北部にカナウジを首都とする王国を確立した。アッサム王バースカラヴァルマンや西インドのマイトラカ朝と同盟してシャシャーンカと争い,グジャラートからオリッサに至る北インドの広範囲に影響を及ぼした。デカン侵攻も企てたが,チャールキヤ朝プラケーシン2世により阻まれた。この時期にインドを来訪した玄奘(げんじょう)記述から仏教を保護したことが知られ,また幾編かのサンスクリット文学作品の著者でもある。彼の死後まもなく,王国は衰退した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ハルシャ・ヴァルダナ」の解説

ハルシャ=ヴァルダナ
Harṣavardhana

590ごろ〜647
シーラーディティヤ(戒日王)の称号をもつ,インドのヴァルダナ朝の創立者(在位606〜647)
グプタ朝衰退後,混乱した北インドを統一。偉大な武将であるとともに,平和の愛好者,文芸の保護者であり,みずから劇作もした。シヴァ派のヒンドゥー教徒でありながら仏教も信奉し,王の治世に来印した唐の玄奘 (げんじよう) を厚遇した。後継者がなく,王朝は一代限りで崩壊した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android