カナウジ(読み)かなうじ(英語表記)Kanauj

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カナウジ」の意味・わかりやすい解説

カナウジ
かなうじ
Kanauj

北インドの古代都市。ウッタル・プラデシュ州中央部、ガンジス川支流川岸にあり、古くから名が知られた。サンスクリットではカーニヤクブジャKanyākubja(「腰が曲がった乙女」の意味)という。中国・唐の僧玄奘(げんじょう)は羯若鞠闍と音訳し、曲女と意訳している。6世紀にマウカリ朝の都市であったが、7世紀初めにハルシャが都を設けて大都市として繁栄し、その後600年間北インドの政治、文化の中心地となった。8世紀のヤショーバルマン王を経て、プラティーハーラ朝もとで栄え、11世紀後半以後ガーハーダバーラ朝の都となり、1118年にガズナ朝侵略を受け、12世紀末にはゴール朝の軍隊によって征服された。

[山崎利男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナウジ」の意味・わかりやすい解説

カナウジ
Kannauj

インド北部,ウッタルプラデーシュ州中部の町。ガンジス川右岸,カーンプル北西約 80kmに位置。古くはグプタ朝要地で,7世紀初期にハルシャ朝の首都となり,9~10世紀にはグルジャラ=プラティーハーラ朝のもとで発展した。町の内外には当時の城や,ジャーミ=マスジッド寺院のほか,古代の仏教遺跡がある。 1194年イスラム勢力により破壊され,以後この町の重要性は低下した。現在は良質の香水産地として知られ,たばこ製造も行われる。人口5万 9650 (1991) 。

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