1929年製作のアメリカ映画。キング・ビダー(ビドア)King Vidor(1894-1982)監督のトーキー第1作。トーキーの到来とともに歌って踊れる〈新しいタレント〉として黒人が起用され,フォックスの《ハーツ・イン・ディキシーHearts in Dixie》(1929)に次いでつくられたMGMの〈オール・ニグロ・ミュージカル〉で,人道主義的な反戦映画《ビッグ・パレード》(1925)で注目されたビダーが,演出料を製作費に投資することを申し出て実現した野心作といわれる。登場人物がすべて黒人であり,宗教と愛欲の葛藤のドラマをとおし,ハリウッドの伝統と常識に対する一つの挑戦として南部の黒人社会を描いたこの映画は,〈シリアスなドラマ〉〈感傷と陳腐なメロドラマの混合〉と毀誉褒貶(きよほうへん)があったが,トーキーが技術的に混乱して〈映画美〉をうしなっていた当時,カメラを自由に移動し,台詞を抑制し,黒人霊歌や自然音を活用して劇的効果をもりあげ,〈トーキー映画〉の先駆的役割を果たした功績は大きい。大部分はロケーションでサイレントで撮影され,〈音〉は苦労をかさねて〈ダビング(アフレコによる音入れ)〉で処理されたが,ムビオラ(音と画を同調させる編集機)も完備していなかった当時としては画期的なことであった。アメリカでは白人を意識した興行政策によって冷遇され,トーキー時代の最初の〈失敗作〉とも記録されているが,黒人に対する偏見が少ないヨーロッパ,とくにフランスでは高く評価された。
執筆者:柏倉 昌美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ヘブライ語で「主をほめたたえよ」を意味する一種の歓呼。元来ユダヤ教の礼拝音楽の一つとして用いられていたが、4世紀にはすでにキリスト教教会に導入されていたようである。ローマ・カトリック教会の典礼ではラテン語化されてアレルヤと発音され、福音書(ふくいんしょ)の朗読に先だって歌われた。このアレルヤ唱には聖書の詩句が組み込まれ、先唱者と聖歌隊によって応答風に歌われた。またその結尾には、最後の母音であるaの音が長く引き伸ばされた装飾的な部分(ユビルス)がつけられた。アレルヤ唱の、このより自由な音楽的要素は、西洋音楽のその後の発展にとって重要な役割を果たした。ハレルヤの歌詞は、近代の芸術作品のなかでも用いられているが、なかでもヘンデルの作曲したオラトリオ『救世主(メサイア)』(1741)中の「ハレルヤ・コーラス」はもっともよく知られている。
[磯部二郎]
「アレルヤ」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…キリスト教で喜びの表現に用いられる間投詞。国によっては〈ハレルヤHallelujah〉ともいう。聖書では《詩篇》に見られる。…
…周辺の小島をあわせた面積2万5708km2,人口503万(1994)。州都はパレルモ。気候は夏に乾燥・高温となり,短い冬に降雨のある典型的な地中海式気候。…
※「ハレルヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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