ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーフォードシャー県」の意味・わかりやすい解説 ハーフォードシャー〔県〕ハーフォードシャーHertfordshire イギリス,イングランド南東部の県。県都ハーフォード。グレーターロンドンの北に接し,ロンドン盆地の北部を占め,同盆地をかぎるチルターン丘陵とそれに続く白亜の丘陵が県の西部から北部にかけて連なる。南部と東部はロンドン粘土層を中心とする古第三紀の地層からなる低地で,漂礫土に広く覆われる。主要河川はリー川とコーン川で,南流してテムズ川に注ぐ。新石器時代,青銅器時代の遺物が発掘されており,前54年ガイウス・ユリウス・カエサルの率いるローマ軍が侵入したときはベルガエ人の土地であった。ローマ時代にはウォトリング街道がこの地域を横切り,それに沿ってウェルラミウム(のちのセントオールバンズ)の町が発展。ローマ時代およびその後のアングロ・サクソン時代の遺跡が多数保存されている。ロンドンの郊外住宅地として発達し,1903年にはイギリス最初の田園都市としてレッチワースが建設された。北部と東部を中心に古くから穀倉地帯として知られるほか酪農も行なわれ,リー川の谷では園芸が盛ん。工業部門では長い伝統をもつビール醸造のほか,ウォトフォードを中心に製紙・印刷工業が発達し,ヘメルヘムステッド,スティーブニッジなどのニュータウンには各種軽工業が立地する。面積 1643km2。人口 105万8600(2006推計)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by