食の医学館 「ハーブ活用法」の解説
はーぶかつようほう【ハーブ活用法】
ハーブの語源は、旧約聖書中にあるラテン語の「HERBA(ヘルバ)」であると考えられます。これは「緑の草」という意味の言葉で、もとは、食用となるイネ科植物などの草木性種子植物を指すものでした。その後、紀元1世紀ころに記された『ギリシャ本草』によって薬用植物に対する認識が広がるとともに、人の暮らしに役立つ草木の総称として用いられるようになりました。
ハーブの薬用に関する最古の記述は、4000年近く前のエジプトの古文書のなかにあります。このころから薬用、食用、儀礼用、さらにミイラの防腐にまで、ハーブはさまざまな用途で使われていました。
最近では、そのオシャレなイメージや心身への効用から、日本でもハーブの人気が急上昇。料理やハーブティーに使うほか、ポプリやアロマポットで香りの演出をしたり、自家栽培を楽しむ人もふえています。
ハーブにはすがすがしくやわらかな芳香をもつものが多く、日本人の嗜好(しこう)にもよくマッチします。この魅力的な香りを生かすには、それぞれのハーブに合った使い方をすることがたいせつ。保存のしかたも、香りを生かすうえの大きなポイントです。
香りのもとの芳香成分は、保存時の密閉が不十分だと、どんどん失われてしまいます。また、直射日光や高温も変質の原因。そのため、保存するときは容器のフタをしっかりしめ、冷暗所に置くことがたいせつです。
乾燥品の場合、湯気の立つ鍋に直接振り入れるのも、中身がかたまったり、風味が落ちる原因となります。使うときは清潔なスプーンなどに受けてから、料理に加えてください。
なお、ハーブの保存期間は生鮮品の場合、せいぜい数日。未開封の乾燥品でも2~5年が限度。開封後は半年程度で風味が失われます。購入後はなるべく早く使い切りましょう。