バソプレシン拮抗剤（読み）バソプレシンキッコウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

バソプレシン拮抗剤

製品名
《トルバプタン製剤》
サムスカ（大塚製薬）
サムスカOD（大塚製薬）

　腎臓で水分の再吸収を増加させるバソプレシンが受容体と結合するのを阻害することで、体液の排出を促進させます。ループ利尿剤などの他の利尿剤で効果不十分な心不全、肝硬変、常染色体優性多発性嚢胞腎の進行抑制に用いられます。

①過敏症状（発疹ほっしんなどのアレルギー症状）、腎不全、血栓塞栓症、高ナトリウム血症、急性肝不全、肝機能障害、ショック、アナフィラキシー、過度の血圧低下、心室細動、肝性脳症、汎血球減少、血小板減少がおこることがあります。このような症状が現れたら、使用を中止し、必ず医師に相談してください。

②頭痛、めまい、口渇、便秘、尿酸値上昇、頻尿、多尿、疲労、多飲症が現れることがあります。このような症状が現れたら、医師に相談してください。

①錠剤、顆粒があって、症状や病状によって、1日の回数、服用量が決められます。1日の服用回数と服用時間・1回の服用量については医師の指示をきちんと守り、かってに中止したり、増量・減量しないでください。

　服用するときは、十分な水（コップ1杯以上の水）で飲んでください。

②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。

　とくに、この薬または類似性剤で過敏症をおこしたことのある人、尿の出ない人、水分摂取が困難な人、高ナトリウム血症、肝性脳症、重い腎機能障害、慢性肝炎・薬剤性肝機能障害などの肝機能障害のある人は使用できません。

③妊婦あるいは妊娠している可能性のある人は使用できません。また、母乳で授乳中の人は、あらかじめ医師に報告してください。

④ほかの薬を使用する必要が生じたときは、前もって必ず医師に相談してください。

　ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、グレープフルーツジュース、セイヨウオトギリソウ含入食品、ジゴキシン、シクロスポリン、カリウム製剤などと併用すると、薬の効果が増強・減弱して現れることがあります。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版