日本大百科全書(ニッポニカ) 「バロア」の意味・わかりやすい解説
バロア
ばろあ
Valois
フランス北部の地方名。パリ盆地に位置し、イル・ド・フランスの一部で、ソアソネ地方(中心都市ソアソン)の南西部にあたる。主としてオアーズ県の東部と一部エーヌ県の南部を覆い、コンピエーニュの森を含むオアーズ川左岸の地域である。中心都市はクレピー・アン・バロアCrépy-en-Valois(人口1万4436、1999)。泥土質の台地からなり、穀物、テンサイ、飼料用作物、野菜などが大規模な経営によって耕作される農業地帯。古くから伯爵領であったが、フィリップ2世時代の1214年フランス王国に併合された。フィリップ4世の弟シャルルがこの地を領してバロア伯となり、シャルルの息子フィリップ6世が男系の絶えたカペー朝を継いでバロア朝を建てた。
[高橋伸夫]