バージニア(読み)ばーじにあ(その他表記)Virginia

翻訳|Virginia

精選版 日本国語大辞典 「バージニア」の意味・読み・例文・類語

バージニア

  1. ( Virginia ) アメリカ合衆国南東部の州。大西洋に面する。州都リッチモンド。東部は海岸平野が広がり、西部はアパラチア山脈が占める。気候は湿潤温暖で、森林が多く、製紙・パルプ・製材工業とタバコ栽培が盛ん。独立一三州の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バージニア」の意味・わかりやすい解説

バージニア
ばーじにあ
Virginia

アメリカ合衆国東部の州。面積10万5716平方キロメートル、人口707万8515(2000国勢調査速報値)。独立13州の一つ。北はメリーランド州とウェスト・バージニア州、西はケンタッキー州テネシー州、南はノース・カロライナ州に接し、東は大西洋に面する。州都リッチモンド。州の東部は一般に平坦(へいたん)な海岸平野で、ポトマック川、ラパチャノック川、ジェームズ川がほぼ北西から南東に流れてチェサピーク湾に注ぐ。海岸平野は西に行くにつれて高度を増し、海抜90メートルの地点で滝線となり、その西は肥沃(ひよく)なピードモント台地である。ピードモント台地は南に行くにつれて幅が広くなる。ピードモント台地の西にブルー・リッジ山脈があり、さらにその西にあるアレゲニー高原との間は肥沃なシェナンドア河谷である。気候は温暖湿潤で、州都リッチモンドの年降水量は1450ミリメートル、1月の平均気温は3℃、7月の平均気温は26℃である。

 バージニアの経済は、南部諸州のなかでは多様性に富む。農業は植民地時代から栽培されてきたタバコが中心で、ついで干し草トウモロコシピーナッツが重要である。しかし、作物の販売額よりも畜産物の販売額のほうが大きく、シェナンドア河谷の肉牛・乳牛・ブロイラー飼育とピードモント台地のブロイラー飼育が盛んである。工業では化学工業の生産額が多く、たばこ製造、食品加工、衣類、製紙がそれに次ぐ。

[菅野峰明]

歴史

アメリカ13植民地の一つで、別名オールド・ドミニオンOld Dominion。1607年、バージニア会社のジェームズタウンの建設に始まる。イギリス重商主義体制下、黒人奴隷制によるたばこプランテーション経済が栄え、大プランターによる議会政治が展開された。独立革命にあたり、パトリックヘンリーワシントンジェファソンマディソン、モンローらの指導者や建国初期の4人の大統領を輩出した。しかし19世紀前半には、余剰奴隷を綿花諸州に移出する州となり、連邦を脱退してアメリカ連合を結成した。南北戦争の際には主戦場となったため州は荒廃した。1880年代中ごろから1965年ごろまで、民主党マシーン支配による州権第一、人種差別体制が続いたが、最近に至り、共和党の伸長、公民権法の普及、都市の勃興(ぼっこう)、組織労働の成長などにより、全国政治の主流のなかに呼び戻され、教育、経済力も全国平均に近づきつつある。

[池本幸三]


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改訂新版 世界大百科事典 「バージニア」の意味・わかりやすい解説

バージニア[州]
Virginia

アメリカ合衆国南東部,大西洋岸の州。略称Va.。独立13州の一つで,連邦加入1788年,10番目。面積10万5716km2,人口800万1024(2010)。州都リッチモンド,最大都市バージニア・ビーチ。州名は当時のイギリスの処女女王Virgin Queenエリザベス1世にちなんで1607年につけられた。州の西部はアパラチア山脈の並行した山脈群とその間の細長い谷からなり,その東側山麓にピードモント台地が広がる。東半部はチェサピーク湾および大西洋に面するコースタル・プレーン(海岸平野)で,ジェームズ川,ポトマック川などがチェサピーク湾にエスチュアリー(三角江)をつくっている。アパラチア山脈のシェナンドア国立公園は,ワシントンから最も近い国立公園で,アメリカ・メガロポリスからの利用者が多い。湿潤大陸性気候で,日本の関東地方から東北地方と似た気候を示す。近年は都市化・工業化がよく進み,かつてのおくれた南部のイメージはぬぐわれつつある。繊維,農産加工,造船など各種の工業が発達するとともに,伝統的なタバコ栽培や牧草,トウモロコシ,ピーナッツ栽培が各地で見られるが,綿花栽培はほとんど消滅した。鶏,シチメンチョウの飼育も盛んである。チェサピーク湾のカキの水揚げも大きい。史跡と海,山の自然に恵まれ,観光業も発達している。バージニアはアメリカの歴史上とくに重要な州である。1607年,イギリス人がアメリカに建設した最初の町であるジェームズタウンをはじめウィリアムズバーグヨークタウンなど開拓初期から独立革命にかけての史跡がきわめて多い。北東部は首都ワシントンに隣接し,アーリントン国立墓地やG.ワシントンゆかりの史跡マウント・バーノンなどがある。初代大統領ワシントンをはじめ8人の大統領を輩出しており,〈マザー・オブ・プレジデンツMother of Presidents(大統領の母)〉とも呼ばれる。
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百科事典マイペディア 「バージニア」の意味・わかりやすい解説

バージニア[州]【バージニア】

米国東部,大西洋岸の州。略称Va.,VA。地形は東部の海岸平野,西部のアパラチア山脈とその山麓台地に分かれる。農業が主でジャガイモ,ラッカセイ,トウモロコシ,小麦のほか西部山麓台地などのタバコ,リンゴの特産が著名。養鶏,牛,羊の畜産もある。鉱産は石炭,鉛,亜鉛,チタン。工業は種類が多く各都市に分散するが,タバコ製造,繊維,造船,化学が主である。1607年ジェームズタウン植民地創設。独立13州の一つ。1788年連邦加入。南北戦争では南部に加盟,1862年ウェスト・バージニアが分離。住民の19%は黒人(1990)。ワシントンをはじめ8人の大統領を輩出している。アーリントン国立墓地がある。州都リッチモンド。10万2279km2。832万6289人(2014)。
→関連項目バージニア・プラン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バージニア」の意味・わかりやすい解説

バージニア
Virginia

アメリカ合衆国,ミネソタ州北東部の都市。メサビ山地にある木材の町であったが,1890年に豊富な鉄鉱床が発見されてから鉱山の中心都市として発達。良質の赤鉄鉱はほとんど掘りつくされたが,タコナイト鉱 (含鉄チャート) の埋蔵量は莫大で,第2次世界大戦後はその生産が多い。近くのスキー場やスペリオル湖の観光地に訪れる人も多い。人口 9410 (1990) 。

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デジタル大辞泉プラス 「バージニア」の解説

バージニア

《Virginia》アメリカ海軍の戦艦。バージニア級の1番艦。前弩級戦艦。船体識別番号はBB-13。1904年進水、1906年就役。グレート・ホワイト・フリートの世界一周航海(1907~1909年)に参加。1920年退役。1923年、標的艦として沈没。

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