パイロファン石(読み)パイロファンせき(その他表記)pyrophanite

最新 地学事典 「パイロファン石」の解説

パイロファンせき
パイロファン石

pyrophanite

化学組成Mn2TiO3鉱物三方晶系,空間群,格子定数a0.5140nm, c1.4290, 単位格子中6分子含む。擬六方板状結晶,葉片状結晶の集合。暗血赤色,不透明,金属光沢条痕暗赤色劈開なし。硬度5.5, 比重4.5~4.6。薄片では赤橙~不透明,屈折率ω2.48, ε2.21。反射光では暗褐色,イルメナイトに比べて多色性弱,異方性弱,暗赤褐色の内部反射あり。Mn2の位置をMg, Fe2, Znで置換し,同構造のイルメナイトグループを形成。イルメナイトとは連続固溶体をつくる。変成マンガン鉱床中に石英・ばら輝石などに伴ってふつうに産するほか,かすみ石閃長岩中にも産出。名称は赤い色から「火のように見える」という意味のギリシア語に由来。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パイロファン石」の意味・わかりやすい解説

パイロファン石
ぱいろふぁんせき
pyrophanite

マンガンとチタン複酸化鉱物チタン鉄鉱のマンガン置換体に相当する。おもに接触変成を受けた珪酸(けいさん)マンガン鉱石の少量成分として産し、ときに六角板状の自形微結晶をなす。世界的には少ないが、日本には産出例が多く、岩手県九戸(くのへ)郡野田村野田玉川鉱山閉山)、栃木県粟野(あわの)町(現、鹿沼(かぬま)市)日瓢(にっぴょう)鉱山、愛知県設楽(したら)町田口鉱山(閉山)などでは肉眼で確認できる自形結晶がみられた。また霞石閃長(かすみいしせんちょう)岩質ペグマタイト中にも産する。英名pyrophaniteはギリシア語のpyro(火)、phainesthai(~に見える)に由来する。

加藤 昭 2018年5月21日]


パイロファン石(データノート)
ぱいろふぁんせきでーたのーと

パイロファン石
 英名    pyrophanite
 化学式   MnTiO3
 少量成分  Mg,Fe2+,Sb3+
 結晶系   三方
 硬度    5~6
 比重    4.60
 色     暗赤
 光沢    亜金属
 条痕    深赤
 劈開    三方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照

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