盲導犬の候補として選ばれた子犬を、盲導犬協会などの委託を受けて生後2か月から10か月間ほど預かり、飼育するボランティア。通常、子犬が1歳になるまでは、社会性や一般的なしつけを身につける時期であり、この間に一般的な家庭で人間からの愛情を受けて育ち、将来のパートナーとなる人間と信頼関係を築くための素養を培うことが目的である。その後、子犬は協会などに戻り、訓練センターで約1年間の訓練を受けてから、適性が認められて試験に合格すると、通常10歳で引退するまで盲導犬として視覚障害者と生活をともにすることになる。パピーウォーカーを直訳すると「子犬の散歩をさせる人」という意味で、もともと盲導犬の飼育を手伝う人を表すことばとして定着したが、聴導犬や介助犬(パートナードッグ)などを含めた補助犬の飼育ボランティアを広くパピーウォーカーとよぶこともある。また、盲導犬協会によっては、パピーウォーカーに週末だけ犬を預ける制度もある。
パピーウォーカーには特別な資格や経験は必要ではなく、ボランティアを希望する場合は、全国の盲導犬協会の訓練センターなどが実施する説明会に参加して登録する。子犬を預かることが決まったら、盲導犬協会などと基本的な条件を定めた契約を結んでパピーウォーカーになる。一般的な契約の条件は、以下のようなものである。(1)室内で飼育ができること、(2)留守が少なく、1日中面倒をみられること、(3)家族全員でしつけができること、(4)自動車での送迎ができること、(5)ほかの犬の飼育をしていないこと、(6)月1回程度の研修会への参加や指導員の訪問が可能であること。このほか、盲導犬になった後には対面できないこと、成長過程で盲導犬の適性を満たさないことがわかった場合は飼育を中断すること、などの事項が盛り込まれることが多い。また、病気や事故にあった場合の医療費や医療保険の加入費などは、各団体と相談のうえで決定する。
日本盲人社会福祉施設協議会によると、2014年(平成26)3月時点で活動している盲導犬は約1000頭であるが、パピーウォーカーの不足もあり、盲導犬を希望する約3000人の視覚障害者に対応できていない。
[編集部]
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