水和した水素イオンのうちH3O+の俗称。正しくはオキソニウムイオンoxonium ionという。水和が重要でないときは簡単に水素イオンという。水素イオンすなわちプロトンはほかのイオンに比べるとはるかに小さく、したがって電荷密度がきわめて高く、そのため、水中では水分子の非共有電子対と結合して下図のようなオキソニウムイオンをつくる。
しかも、このイオン中の三つの水素原子は互いに対等であり、したがって、それぞれ同程度の正電荷を帯びることになる。このため、これらの三つの水素原子はほかの水分子と水素結合によってつながり、H3O+・3H2O=H9O4+のような原子集団をつくっている。いわば水和したオキソニウムイオンとなっている。このようなオキソニウムイオンの存在は結晶中でもみいだされており、たとえば過塩素酸一水和物HClO4・H2O(融点50℃の無色の結晶)は、実は[H3O][ClO4]のようなイオン結晶であることが明らかにされている。
[中原勝儼]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
「オキソニウムイオン」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新