ヒヨコマメ(読み)ひよこまめ(英語表記)chick-pea

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒヨコマメ」の意味・わかりやすい解説

ヒヨコマメ
ひよこまめ / 鶏児豆
chick-pea
[学] Cicer arietinum L.

マメ科(APG分類:マメ科)の一年草。豆を食用飼料とするために栽培される。草丈は50センチメートルほどになり、茎の断面は四角形。葉は奇数羽状複葉で長さ約5センチメートル、9~15枚の小葉からなる。発芽後1か月ほどたつと葉腋(ようえき)に1~2個の花をつける。花は長さ約2センチメートル、紫、桃、青、白色などで2日間咲き、ほとんど自家受精する。莢(さや)は長さ2~3センチメートル、幅1~1.5センチメートルになり、中には1~2個、多いものは4個の種子がある。ヒマラヤ西部から西アジア地方で栽培が始まったとされ、非常に古い時代にヨーロッパに伝わった。現在の主産地はインドで、中近東、地中海沿岸、カリフォルニア、メキシコなどでも栽培されているが、日本での農業的な栽培はない。生育は高温、半乾燥の気候に適し、生育日数は100~130日である。煮豆、炒豆(いりまめ)、スープなどにして食べ、製粉して小麦粉と混ぜてパン状に焼く。また、炒(い)ってコーヒーの代用とする。莢は飼料としても用いられるが、茎葉には有毒成分があり飼料に適さない。

[星川清親 2019年11月20日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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