ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒンツェ」の意味・わかりやすい解説
ヒンツェ
Hintze, Otto
[没]1940.4.25. ベルリン
ドイツの歴史家。 J.ドロイゼンのもとにベルリン大学で中世史を研究したが,その後歴史学派経済学者の G.シュモラーから強い影響を受け,独特の比較国制史を開拓した。研究の中心は,初め絶対王政時代のプロシア行政史におかれ,シュモラーの委嘱で『プロシア文書集』 Acta Borussicaの官僚行政および絹織物工業の部分の編纂,またこれをふまえて多くのプロシア史研究論文を発表。『ホーエンツォレルン家とその事業』 Die Hohenzolern und ihr Werk (1915) はその集大成であるが,第1次世界大戦後には,西欧近代国家の起源という問題意識から,M.ウェーバーの影響のもとに『封建制の本質と拡大』 Wesen und Verbreitung des Feudalismus (29) ,『西欧における身分議会制の類型学』 Typologie der ständischen Verfassungen des Abendlandes (30),『代議制の世界史的諸条件』 Weltgeschichtliche Bedingungen der Repräsentativverfassung (31) などのすぐれた比較国制史的研究を残し,第2次世界大戦後の西ドイツにおける社会史研究の先駆として高い評価を受けた。
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