アフリカ西岸,ギニア湾東部に浮かぶ赤道ギニアの主島。旧名のフェルナンド・ポー島Fernando Póo Islandは,1472年にこの島を発見したポルトガルの航海者フェルナン・ド・ポーにちなんでつけられたものである。面積2017km2。人口約9万。火山性の島で,最高峰はマラボ火山(標高3007m)。1778年以来スペイン領として統治されてきたが,1968年,大陸側のリオ・ムニ(現在はムビニと改称)とともに独立した。中心都市は首都のマラボ(旧名サンタ・イサベル)。高温多湿なこの島の開発は19世紀中ごろからスペインの手で始められ,カカオをはじめとする農業生産は進んでおり,島の農民1人当りの所得は西アフリカで最高とされている。島のおもな住民は原住のブビ族,フェルナンディノスと呼ばれる混血,ナイジェリアからの農業労働者などで,住民構成は複雑である。大陸側のムビニとは,経済,文化,社会などの面で大きな格差があり,統一国家への道はけわしい。
執筆者:端 信行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
西アフリカ、ギニア湾東部にある火山島。旧称フェルナンド・ポーFernando Póo島、マシアス・ヌグエマMacías Nguema島。赤道ギニアに属し、北岸に首都マラボ(旧称サンタ・イサベル)がある。面積2017平方キロメートル、人口5万7190(1983センサス)、12万5000(2002推計)。北東約50キロメートルにあるアフリカ大陸のカメルーン山の延長部にある火山島で、北部に最高峰マラボ火山(3008メートル)がそびえる。1472年にポルトガル人フェルナンド・ポーによって発見され、1778年スペイン領となり、1968年大陸部のムビニ(旧称リオムニ)と合併、赤道ギニアとして独立した。住民はブビ人が中心だが、ポルトガル人やスペイン人との混血も多い。
[端 信行]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…正式名称=赤道ギニア共和国República de Guinea Ecuatorial面積=2万8051km2人口(1996)=40万人首都=マラボMalabo(日本との時差=-8時間)主要言語=スペイン語,ファン語,ブビ語通貨=CFA(中部アフリカ金融協力体)フランFranc de la Coopération Financière en Afrique Centraleアフリカ大陸中西部,ギニア湾に面したムビニMbini(旧,リオ・ムニRío Muni)とギニア湾上のビオコBioko島(旧,フェルナンド・ポーFernando Póo島)などの島からなる共和国。首都マラボ(旧,サンタ・イサベル)のあるビオコ島は大陸の最も近い海岸から約35km離れた火山島であるが,ムビニは大陸部にある飛地で,カメルーンとガボンとに囲まれている。…
※「ビオコ島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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