日本大百科全書(ニッポニカ) 「カメルーン山」の意味・わかりやすい解説
カメルーン山
かめるーんさん
Mount Cameroon
アフリカ中西部、カメルーン西端のギニア湾沿いにそびえる孤峰の活火山。粗面玄武岩などからなる成層火山で、同国の最高峰(4095メートル)である。紀元前5世紀から、近くは2000年まで十数回の噴火記録があり、しばしば溶岩流も発生した。とくに1999年の噴火は、標高1400メートルの中腹からの割れ目噴火で、大量の溶岩が時速7~15メートルの速さで火口から6~7キロメートルまで流下し、バナナなどのプランテーションに大きな被害を与えた。また同じカメルーン火山列にあるニオス湖Lake Nyosでは、1986年に突然大量の二酸化炭素が噴出し、1746名の死者を出した。大部分が熱帯降雨林に覆われ、風上側の南西山麓(さんろく)では年降水量が約1万ミリメートルである。山腹の農園ではココア、ゴム、アブラヤシなどを栽培する。山頂部は雪を頂くこともある。
[諏訪 彰]