改訂新版 世界大百科事典 「ピエルネ」の意味・わかりやすい解説
ピエルネ
Gabriel Pierné
生没年:1863-1937
フランスの作曲家,指揮者。早くから音楽の才能を現し,9歳でパリ音楽院に入学,オルガン演奏,作曲などを学んで,1882年にローマ大賞を受けた。子どもの合唱を含む《少年十字軍》(1902),《ハープ小協奏曲》(1903),バレエ曲《シダリーズと牧羊神》(1923)などが日本では知られているが,彼の作品は広いジャンルにわたっていて,師のマスネ,フランク,僚友のドビュッシーほか多くの人の影響を巧みに同化し,ことさらな深刻さを避けて明快であり,流麗な旋律と洗練された色彩感に富む,近代的な感覚の音楽を書いた。指揮者としては1910年より34年までコロンヌ管弦楽団の正指揮者を務め,とりわけフランス近代音楽の紹介に寄与して,両大戦間の名指揮者の一人に数えられている。
執筆者:平島 正郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報