メッツ(読み)めっつ(英語表記)Gabriel Metsu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メッツ」の意味・わかりやすい解説

メッツ(metabolic equivalents)
めっつ

運動学において身体活動(運動)の強さを表示する単位。metabolic equivalentsの略称で、記号はMETs。運動による代謝カロリー消費)の度合いを表す値でもある。安静時の身体活動の強度を1メッツとして、さまざまな運動時にその何倍のカロリーを消費しているかを示す。たとえば、ゆっくり歩くのは2メッツ程度、普通の歩行は3メッツ、ジョギングは7メッツとなる。

 運動量(メッツ×運動を行った時間)は、エクササイズ(記号はEx)で表す。また、1エクササイズの身体活動量に相当するエネルギー消費量(キロカロリー)は、1.05×エクササイズ×体重(キログラム)で求められる。

 厚生労働省は「健康づくりのための運動指針2006」において、メタボリック症候群など生活習慣病予防のための新たな指標として、それまでのBMI体格指数)による肥満度とは別にメッツやエクササイズなどの基準値を示した。そこでは、3メッツ以上の運動を1日60分、1週間に23エクササイズ以上行うという目標運動量が提示され、これにより内臓脂肪が減少して高血糖や高血圧の改善などが期待できるとしている。なお、メッツは心筋梗塞(こうそく)のリハビリテーション治療の際の運動負荷を表す単位などにも用いられる。

[編集部]


メッツ(Gabriel Metsu)
めっつ
Gabriel Metsu
(1629―1667)

オランダ画家ライデンに生まれる。同地で風俗画家ヘラルト・ダウGerard Dau(1613―1675)に学び、ライデンの画家組合に登録されるが、1657年以降アムステルダムで活躍し、同地に没した。初期にはレンブラントハルスの影響がうかがえるが、得意としたのはオランダ市民階級の風俗画で、演奏会や化粧室の光景、とくにその際の衣装やじゅうたんなどの材質感の描写にはテルボルフの影響がみられる。また室内空間の明るい配置や光の処理はホーホやフェルメールに親近がある。代表作は『朝食』『病気の子ども』(ともにアムステルダム国立美術館)、『獲物を売る老婆』(ドレスデン絵画館)など。

[野村太郎]



メッツ(フランスの地名)
めっつ
Metz

フランス北東部、ロレーヌ地方、モーゼル県の県都メスのドイツ語名。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メッツ」の意味・わかりやすい解説

メッツ
Metsu, Gabriel

[生]1629. ライデン
[没]1667.10.24. 〈埋葬〉アムステルダム
オランダの風俗画家。ライデンの画家 J.メチューの子。 1648年ライデンの画家組合の創設メンバーに加わっているが,50年以降はアムステルダムに移住したと思われ,59年に同地の市民権を得た。初期にはレンブラント風の宗教画を描いたが,町の市場や室内での日常生活を題材とした風俗画を得意とし,同時代の画家 G.テルボルヒや P.ホーホの作風に近い。主要作品は『アムステルダムの青物市場』 (ルーブル美術館) ,『朝食』 (アムステルダム国立美術館) ,『老婆』 (同) 。

メッツ

メス」のページをご覧ください。

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