ピエロディコジモ(その他表記)Piero di Cosimo

改訂新版 世界大百科事典 「ピエロディコジモ」の意味・わかりやすい解説

ピエロ・ディ・コジモ
Piero di Cosimo
生没年:1462ころ-1521ころ

イタリア画家フィレンツェ生れ。コジモ・ロッセリCosimo Rosselliの弟子。伝統的なキリスト教主題の作品においては保守的な作風を示したが,そのほかにきわめて奇抜な着想に満ちた神話画肖像画を描く。ことに当時まだ作例の少なかった神話画においては,人間原初状態を空想的に描き出すのを得意とした。アンドレア・デル・サルトの師であったことが知られている。
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百科事典マイペディア 「ピエロディコジモ」の意味・わかりやすい解説

ピエロ・ディ・コジモ

イタリアの画家。本名ピエロ・ディ・ロレンツォPiero di Lorenzo。フィレンツェの生れ。レオナルド・ダ・ビンチベロッキオなどから影響を受けるが,曲線や強い色彩を好む傾向があり,独特の幻想性をもった画風を展開した。代表作は《プロクリスの死》(1490年ころ,ロンドンナショナル・ギャラリー蔵),《シモネッタ・ベスプッチ肖像》(1490年ころ,シャンティイ,コンデ美術館蔵)など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピエロディコジモ」の意味・わかりやすい解説

ピエロ・ディ・コジモ
Piero di Cosimo

[生]1462. フィレンツェ
[没]1521. フィレンツェ
イタリアの画家。本名 Piero di Lorenzo。 C.ロッセリの弟子で,終生フィレンツェで活動した。 F.リッピ,レオナルド・ダ・ビンチ,L.シニョレリおよびフランドル絵画から影響を受け,華麗な色彩と幻想味豊かな特異な神話画で知られた。作品は『プロクリスの死』 (1500,ロンドン,ナショナル・ギャラリー) ,『G.サンガロの肖像』 (アムステルダム国立美術館) など。

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