ピニェラ(その他表記)Piñera, Sebastián

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピニェラ」の意味・わかりやすい解説

ピニェラ
Piñera, Sebastián

[生]1949.12.1. サンチアゴ
[没]2024.2.6. ロスリオス州
セバスティアン・ピニェラ。チリの実業家,政治家。大統領(在任 2010~14,2018~22)。フルネーム Miguel Juan Sebastián Piñera Echenique。少年時代は父の仕事の都合でアメリカ合衆国やベルギーに住んだ。1971年チリ・カトリカ大学 PUCで商業工学の学士号を取得し,1976年ハーバード大学で経済学博士号を取得,その後 1980年代にかけて母校 PUCで教鞭をとるかたわらサンチアゴのチリ大学などで学生の指導にあたった。コンサルタント業や金融業を経て,1970年代末,チリ初のクレジットカード会社バンカードを設立。同社の大成功により巨万の富を得,チリを代表する航空会社 LANチリ航空やサッカーのクラブチームなどの企業の大株主となった。1993年水質保全再生可能エネルギーにかかわる非営利組織 NPOフトゥーロ財団を立ち上げ,チロエ島エコロジーをテーマにしたタンタウコ公園をつくった。1989年政治家に転身し,1998年まで上院議員を務めた。2005年12月,国民革新党の候補として大統領選挙に出馬したが,与党連合コンセルタシオンのミッチェル・バチェレに敗れた。2009年,大統領選挙に再出馬し,2010年1月の決選投票勝利を収めた。大統領就任直前,520人以上が命を落としたマグニチュードM)8.8の大地震に見舞われ,さらに就任後,33人の作業員が 69日間地下に閉じ込められたサンホセ鉱山の落盤事故が発生し,対応に追われた。憲法再選が禁じられているため 2014年に退任したが,2017年12月,再び大統領選挙に出馬し勝利,2018年3月,2期目となる大統領就任を果たした。

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