ファイドラ

百科事典マイペディア 「ファイドラ」の意味・わかりやすい解説

ファイドラ

ギリシア伝説のクレタ王ミノスの娘。テセウス後妻義理息子ヒッポリュトスに道ならぬ恋をし,拒まれた腹いせに逆の告発をして自死したとも,ヒッポリュトスの死後讒言(ざんげん)を悔いて縊(くび)れたとも。ラシーヌフェードル》の主人公
→関連項目ミノス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファイドラ」の意味・わかりやすい解説

ファイドラ
Phaidra

ギリシア神話の女性。クレタの王ミノスと妃パシファエの娘で,アリアドネ姉妹テセウスと結婚し,アカマスとデモフォンという2人の息子を産んだが,夫が先妻によってもうけた義子ヒッポリュトスに恋し,求愛をはねつけられると,逆にヒッポリュトスが彼女を誘惑しようとしたという遺書を残して自殺して,無実のヒッポリュトスが父の呪いによって死をとげる原因をつくった。

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世界大百科事典(旧版)内のファイドラの言及

【ヒッポリュトス】より

…ギリシア伝説で,アテナイ王テセウスとアマゾンの女王ヒッポリュテHippolytēの子。処女神アルテミスを崇拝してもっぱら狩りに日を過ごしていたヒッポリュトスは,クレタ王ミノスの娘で父の後妻となったファイドラPhaidraの邪恋を退けたため,彼女は義理の息子に犯されたと偽りの手紙を残して自殺し,彼は父にのろわれて国払いの身となった。そこで彼は戦車を駆って,ペロポネソス半島の北東端に近い町トロイゼンに向かったが,その途中,テセウスの訴えで海神ポセイドンが送った怪物に馬が驚いて車を覆し,彼は馬に引きずられて死んだという。…

【ミノス】より

…ゼウスとエウロペの子。妃パシファエPasiphaēとの間にアリアドネAriadnē,ファイドラPhaidra,アンドロゲオスAndrogeōsらをもうけた。海神ポセイドンに祈って雄牛を海中から出現させてもらったお蔭で王位につけたにもかかわらず,約束に反してその牛を海神に捧げなかったため,海神はパシファエが雄牛に恋するように仕向け,その交わりから人身牛頭の怪物ミノタウロスが生まれた。…

※「ファイドラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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