出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…たとえばおうし座は一説によれば,フェニキアの王女エウロペをゼウスの愛人にするために背に乗せて海を渡り,クレタ島まで運んだ牛が天にあげられたものだが,別の伝承によれば,クレタ王ミノスの祈りにこたえて,海神ポセイドンが海から出現させた牛である。ミノスの妃パシファエがこの牛に恋し,名工ダイダロスにつくらせた本物そっくりの牝牛の模型の中に入って,その牛の種を受けて半牛半人の怪物ミノタウロスを生んだという。そのあとこの牛は英雄テセウスによって殺され,星座になった。…
…弟子にした甥が師をしのがんばかりの技量を示したため,これをアクロポリスから突き落として殺し,クレタ島の王ミノスのもとに逃れた。ここで彼は海神ポセイドンの雄牛に恋した王妃パシファエのために木製の雌牛を作ってやり,彼女が人身牛頭のミノタウロスを生むと,この怪物を入れておく迷宮ラビュリントスを造った。その後,アテナイの王子テセウスが怪物退治にやってきたときには,テセウスに恋した王女アリアドネに,王子が迷宮内で道に迷わぬための糸球の策を授けた。…
…ゼウスとエウロペの子。妃パシファエPasiphaēとの間にアリアドネAriadnē,ファイドラPhaidra,アンドロゲオスAndrogeōsらをもうけた。海神ポセイドンに祈って雄牛を海中から出現させてもらったお蔭で王位につけたにもかかわらず,約束に反してその牛を海神に捧げなかったため,海神はパシファエが雄牛に恋するように仕向け,その交わりから人身牛頭の怪物ミノタウロスが生まれた。…
…ギリシア伝説の人身牛頭の怪物。クレタ王ミノスが海神ポセイドンから供犠用に送られたみごとな雄牛(タウロス)を惜しんで殺さなかったため,怒った海神はミノスの后パシファエPasiphaēに雄牛を恋させ,その交わりから生まれた。王は名工匠ダイダロスに建造させた迷宮ラビュリントス内にこれを閉じこめ,毎年アテナイより送られる14人の少年少女を餌に供していたが,怪物はやがてアテナイの王子テセウスに退治された。…
※「パシファエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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