フィン人(読み)ふぃんじん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィン人」の意味・わかりやすい解説

フィン人
ふぃんじん

フィン語フィンランド語)を話すフィンランド共和国の大多数を占める民族フィンランド人に同じ。ただし、国籍的な意味でのフィンランド人には、スウェーデン語を日常母語として通常「フィンランドのスウェーデン人」とよばれる人口の6%ほどの少数派民族が含まれる。国外では、アメリカ合衆国に約20万人、カナダに約6万人、オーストラリアに約1万5000人のフィンランド系移民がいる。また、毎年1万人前後がスウェーデンに移住し、同時に数千人が帰国しているが、おもに出稼ぎ的性格のものである。フィン人の人類学的特徴としては、長身で色白、人口の約8割が金髪あるいは亜麻(あま)色の髪をもち、目は青あるいはグレーで典型的北欧人であるが、フィンランド語は、ハンガリー語や東北ロシアからシベリア一帯に広がるフィン・ウゴル諸語と親族関係にある。現在、ロシア連邦内のカレリア共和国にはフィン人と同系のカレリア人が約9万人居住する。

[玉生謙一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィン人」の意味・わかりやすい解説

フィン人
フィンじん
Finn; Suomalaiset

現フィンランド人。みずからはスオマライセットと称する (フィンランドをさすスオミ Suomiを語源とする) 。フィン=ウゴル語派中のフィン=ペルム語派に属し,エストニア人カレリア人などとともに原フィン人を構成し,フィンランド南西部に定住している。7~8世紀まではまだ農耕漁業に基づく部族的性格をもった社会を形成していたが,スウェーデン人に制覇された。とりわけ 12世紀のエーリック侵入 (東方十字軍) 以来長くスウェーデンの統治下に,次いで 1809年以来ロシアに支配されていたが,ロシア革命の際独立した。

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