翻訳|flip-flop
コンピュータを代表とするデジタル回路に広く使われる基本的な記憶素子。主たる出力端子(通常Qと表記する)が高電位(ハイレベルまたは1を表す信号)になるセット状態と、低電位(ローレベルまたは0を表す信号)になるリセット状態をもち、この二つの状態を保持することにより1ビット(二進数1桁(けた))分の情報を記憶する。フリップフロップにはさまざまな種類があるが、大きく二つに分類される。一つはクロック入力をもたず、入力信号の組合せにより状態が決まる方式で、ラッチとよばれる。ラッチは、簡単な構造でデジタルデータを記憶することができるため、レジスターやメモリーの一種(スタティックRAM(ラム))などに用いられる。もう一つは、クロック入力をもち、これに同期して状態が変化する機能をもつ方式で、狭義にはこの形式のみをフリップフロップとよぶ。このなかで最近もっとも頻繁に用いられるのは、D入力とクロック入力をもつDフリップフロップである。Dフリップフロップはクロックが0から1に(あるいは1から0に)変化した瞬間のD入力のレベルを状態として記憶する機能をもつ。この機能により、ラッチ同様デジタルデータの記憶に用いるだけでなく、回路の状態を保持してクロックに同期して変化させることにより、デジタル回路を制御する回路(順序回路)に広く用いられる。
[天野英晴]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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[順序回路]
順序回路は,組合せ回路に記憶機構を付加した回路である。記憶の最小単位の1ビットは,フリップフロップ(FFと略す)に記憶する。FFは用途に応じていろいろな種類があるが,たとえば入力の値をそのまま記憶するD型FFがある。…
※「フリップフロップ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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