ブランディス(英語表記)Brandys, Kazimierz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブランディス」の意味・わかりやすい解説

ブランディス
Brandys, Kazimierz

[生]1916.10.27. ウッチ
[没]2000.3.11. パリ
ポーランドの小説家。ワルシャワ大学法学部を 1938年に卒業。ナチスのポーランド占領を経験し,第2次世界大戦後にマルクス主義の週刊誌『鍛冶場』 Kuźnicaに参加した。処女作は『木馬』 Drewniany koń (1946) 。長編4部作『戦争と戦争の間』 Między wojnami (48~51) で,戦前から戦後にわたる世代のポーランド知識人のモラルイデオロギーに関する問題を共産主義の視点から描いた。『市民たち』 Obywatele (54) も社会主義リアリズムの作品であったが,56年のスターリン批判後は『グレナダ防衛』 Obrona Grenady (56) など,共産主義を批判する作品を発表。のち実存主義的な方向へ向い,『Z夫人への手紙』 Listy do pani Z (58) ,『ロマン性』 Romantyczność (60) ,『虚構』 Nierzeczywistość (77) などを著した。 1970年代後半には反体制雑誌『ザピス』 Zapisの同人となる。 81年 12月の戒厳令施行の際,ニューヨークに滞在中であったが,その後パリに渡った。手記歳月』 Miesiące (78~87) はワルシャワ時代の生活などをつづった温かいエッセイである。兄のマリアン・ブランディス (1912~98) は『知られざる公爵ポニャトフスキ』 Nieznany książę Poniatowski (1960) などの歴史小説を著わし活躍した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブランディス」の意味・わかりやすい解説

ブランディス
ぶらんでぃす
Kazimierz Brandys
(1916―2000)

ポーランドの小説家。ワルシャワ大学で法律を学んだが、ナチス占領を体験したのち、第二次世界大戦後、作家として活躍、フランスのソルボンヌ大学講義をしたこともある。デビュー作は戦争中に書き1946年に発表された長編『木馬』で、以来つねに政治と知識人のモラルの問題を作品のうえで追求し続けた。長編四部作『戦争と戦争の間』(1948~51)では共産主義と資本主義の葛藤(かっとう)のなかでの世代の苦悩を描き、『グレナダ防衛』(1956)ではスターリン体制下の青年の苦しみを描いた。ほかに、『クルル家の母』(1957)、『郵便変奏曲』(1972)、『現実ばなれ』(1977)や、地下出版され、のちに亡命先のパリで続編が出版された日記『歳月』(1980~87)、エッセイ集『Z夫人への手紙』(1958~62)、短編集『赤い帽子』(1956)、『ロマン性』(1960)などがある。なお兄のマリアンMarian Brandys(1912―98)も歴史小説家であった。

[吉上昭三・長谷見一雄]

『尾崎義・木村彰一編『世界短篇文学全集10 北欧・東欧文学』(1963・集英社)』

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367日誕生日大事典 「ブランディス」の解説

ブランディス

生年月日:1790年2月13日
ドイツの哲学史家
1867年没

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