ポーランド中央部,同名県の県都。ウッジ,ウージとも呼び,かつてロズ,ルージと呼ばれたこともある。ポーランド第2の大都市で,人口77万6297(2004)。ビスワ川がつくる低地とチェンストホバ高地から北に派生する台地の境付近に発達している。ポーランド最大の工業都市で,世界最大の総合繊維工業地帯の一つである。綿工業は全国の1/2近く,羊毛工業と絹織物工業は1/3を占め,ほかに織物機械,電気機械,化学,食品加工の各工業が集積する。ウッチは19世紀中葉まで人口数百人の小さな農村集落であったが,19世紀後半にドイツから織工を招いてから急速に発展し,1897年には25万人,1921年に45万人,39年には67万人を数えた。繊維工業は市内からバビャニツェ,ズギエシ,アレクサンドルフ・ウチキなど周辺都市へ拡大し,全国の繊維労働者の4割が同県に集中している。また科学・文化の重要な中心地でもあり,大学や研究機関のほかにポーランド最大の映画製作所がある。
執筆者:山本 茂
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ポーランド第2の都市。ポーランド中央部の小村だったが,1820年代からの政府の工業化政策により,19世紀後半には巨大な繊維工業都市に成長し,ポーランドのマンチェスターと呼ばれた。労働運動や革命運動の中心地でもあった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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