デジタル大辞泉 「木馬」の意味・読み・例文・類語
もく‐ば【木馬】
2 器械体操に使った用具の一。木材で馬の背形に作ったもの。現在の跳馬に相当。
3 昔、木製の馬形の背を鋭くとがらせたものに罪人をまたがらせ、両足に石をつり下げて拷問の具としたもの。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
木製の馬の玩具。大型のものは子どもが乗って遊ぶ。〈トロイアの木馬〉の伝説があるように古くからあった。ヨーロッパでは19世紀初期に,木馬の脚部に弓形の枠を取りつけ,前後に揺り動かして,これにまたがっている子どもに馬が走っているような感じを与えるロッキング・ホースrocking horse(揺り木馬)がつくられ,流行した。このほか動かないもの,手で揺り動かすもの,車つきで引いて移動させるものなどがある。木馬を数多く取りつけ回転させて遊ばせるのが遊園地などに設置されているメリーゴーラウンドである。そのほか小銭を入れると馬が上下に動いて回転する電動式のものがある。厚板に馬首,4本足をつけたもので,最近はプラスチック製が多い。日本にも古くから武家の児童には乗馬練習用のものがあり,木馬と呼んだ。またこれに車をつけて引いて遊ぶ玩具もつくられた。名馬の産地三春地方(福島県)には子育て信仰と結んだ三春駒と呼ばれる木馬(きんま)がある。
執筆者:斎藤 良輔
そりの一種。ただし,雪の上ではなく,土の上で用いる。カシ,ミネバリなどの硬材でつくり,形態ははしご状である。キウマなどとも通称され,ほぼ全国的に分布するが,飛驒・信濃などの山岳地帯に濃密である。用途は主に木材の搬出で,そのため大型のものが多く,長さ2~3mに達するものもまれではない。木馬は,必ずキンマミチ,キウマミチなどと呼ばれる専用通路を通すが,ここには鉄道の枕木のように丸太が並べられている。運搬するときは,荷物を積んだ木馬の先端に人が1人立ち,速度や方向などを調節しながら操ってゆく。これはかなりの熟練を要する作業で,一息に進める距離は2kmほどとされている。起源は相当古く,すでに古墳時代において使用が確認されている。大阪府藤井寺市の仲津媛古墳の陪塚で発見された,修羅(しゆら)がそれである。
執筆者:胡桃沢 勘司
→木馬(きんま)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
字通「木」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…用途は主に木材の搬出で,そのため大型のものが多く,長さ2~3mに達するものもまれではない。木馬は,必ずキンマミチ,キウマミチなどと呼ばれる専用通路を通すが,ここには鉄道の枕木のように丸太が並べられている。運搬するときは,荷物を積んだ木馬の先端に人が1人立ち,速度や方向などを調節しながら操ってゆく。…
…その他,形状・使用目的によって〈箱橇(はこぞり)〉〈駕籠橇(かごぞり)〉〈腰掛橇(こしかけぞり)〉〈馬橇(ばぞり)〉など種類は多い。泥土上あるいは〈きんま道〉とよぶ傾斜道に使う〈土橇(どぞり)〉〈木馬(きんま)〉と称する一種の橇もある。もっぱら木材,石材などの重量物の運搬に使われるもので,人力あるいは牛馬に引かせるものである。…
…
[信仰と習俗]
馬が神聖なものに使用されるという観念から,神霊の乗物としての面が古くからあったことは,日本におけるこの動物に対する考えの一面として注意する必要がある。このため神社に生馬を奉納して飼養し,またその代用に木馬を神前に納め,祭儀に馬をひいて奉仕するといった習俗が広く認められる。生馬や木馬を奉納できぬ階層が板絵を額として納めたのが絵馬の起源であるとの説もある。…
※「木馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新