翻訳|bulldog
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、イギリス原産。ブルバイティングbullbaiting(ウシ攻め、またはウシかませともよばれ、囲いの中でイヌをしかけ、雄ウシを攻めたてさせたイギリスの見せ物)に用いられていた猛犬として有名である。ブルバイティングは1209年に始められたが、当時のイヌはもっとほっそりしたものであった。ウシにかみつきやすく、ウシの攻撃をかわしやすいように、丈の低い大口の犬種としてブルドッグが作出された。その後、ブルバイティングは1835年に禁止された。このため、一時ブルドッグも廃れたが、40年後に復活し、1875年に改めてブルドッグクラブが設立された。ブルドッグは、重厚な体躯(たいく)と特異な風貌(ふうぼう)の犬種で、頭部は大きく重々しく、広い肩幅、湾曲してはいるが筋腱(きんけん)の発達した太い四肢、短い鼻梁(びりょう)、しゃくれた口吻(こうふん)、顔面の深いしわなどが特徴である。背は短く肩幅は広いが、腰は引き締まってやや細くなっている。腰の位置は鬐甲(きこう)部分よりも高い。背線は中央部がへこみ、腰部で高くなり臀部(でんぶ)で傾斜していて、これも本犬種の特徴の一つである。耳はすこしねじれぎみでローズ耳とよばれ、尾は付け根が太くて短く、ねじれているものも多い。被毛は短毛で堅く密生する。毛色は虎(とら)毛、白、赤褐色、褐色、斑(はん)などがある。歩様は本種独特の横揺れのあるものである。大きさは、体重25~27.5キログラム。現在は闘犬として用いられることはなく、もっぱら家庭犬として根強いファンをもっている。鼻道狭窄(きょうさく)があるせいか、睡眠時にいびきをかくものがよくみられる。
[増井光子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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