日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブレイエ」の意味・わかりやすい解説
ブレイエ
ぶれいえ
Emile Bréhier
(1876―1952)
フランスの哲学史家。ブロシャールVictor Brochard(1848―1907)とベルクソンに学び、古代哲学の研究によって博士号を得たあと、レンヌおよびボルドー大学を経て、1919年から没するまでパリ大学で哲学史を講じる。第一次世界大戦に従軍して左腕を失うが、精力的に哲学史の研究を発表した。哲学史を抽象的観念の必然的発展としてではなく、創造的直観の自由な運動としてとらえ、哲学の内面的理解を目ざした。ギリシア哲学のプロティノスやアレクサンドリアのフィロン、19世紀のドイツ観念論哲学者シェリングなどの個別研究のほか、とくに『哲学史』7巻(1926~1932)が有名。
[香川知晶 2015年6月17日]