改訂新版 世界大百科事典 「プーラナカッサパ」の意味・わかりやすい解説 プーラナ・カッサパPūraṇa-Kassapa 古代インド,前6~前5世紀の自由思想家(仏教側からいう〈六師外道〉)の一人で,形而上学を伴わない道徳否定論を説いた。生没年不詳。釈迦と同時代の人で奴隷の出身とされる。漢訳仏典では不蘭迦葉(ふらんかしよう)と音訳される。彼は殺人や盗みなどをしても悪をしたことにはならず,布施や修養などをしても善をしたことにはならず,したがって善悪いずれの業の報いも存在しないとした。この結論は他の自由思想家の何人かと共通するが,それらが根拠として形而上学を説くのに対し,彼の説はその側面をもたないのが特徴となっている。執筆者:高橋 明 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プーラナカッサパ」の意味・わかりやすい解説 プーラナ・カッサパPũraṇa Kassapa 前6~5世紀に活躍したインドの思想家。原始仏教経典中では,六師外道の一人としてあげられ,道徳否定論を唱えた。彼は生き物を殺し,苦しめ,悲しませ,おののかせ,人から物を盗み,家宅侵入,追いはぎ,姦通,虚言などをしても悪業に対する報いはないと説き,また逆に祭祀を行い布施をし,真実を語るなどの善業をなしても善の報いも存在しないと述べた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by