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 ごう karman

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


ごう
karman

サンスクリット語で,本来の意味は行為であるが,仏教では特に身,口,意が行なった行為ならびにその行為が存続して果報をもたらす力という意味に用いられる。また身体と口と心によって行なった行為を身口意三業 (さんごう) と呼び,さらに個人の業である不共業 (ふぐうごう) ,社会全体の業である共業 (ぐうごう) をも説いている。

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デジタル大辞泉の解説

ぎょう〔ゲフ〕【業】

なすべきこと。仕事。わざ。「畢生(ひっせい)の
暮らしの手だて。生業。職業。「家のを継ぐ」「菓子の販売をとする」
学問。技芸。「を修める」
「実業界」「業界人」の略。「政官

ぎょう【業】[漢字項目]

[音]ギョウ(ゲフ)(漢) ゴウ(ゴフ)(呉) [訓]わざ
学習漢字]3年
〈ギョウ〉
苦労してなしとげる事柄。「業績偉業学業功業事業実業授業修業所業卒業大業覇業
生活のために行う仕事。「業界業者業務営業家業稼業休業兼業作業産業残業失業就業商業職業生業操業農業廃業副業分業夜業
やしき。「別業
〈ゴウ〉
報いを招く前世の行い。「業苦業報悪業因業罪業宿業善業非業自業自得
怒りの心。「業腹(ごうはら)
〈わざ〉「業師業物神業軽業仕業力業手業寝業早業
[名のり]おき・かず・くに・なり・のぶ・のり・はじめ・ふさ
[難読]業平(なりひら)生業(なりわい)

ごう〔ゴフ〕【業】

《〈梵〉karmanの訳》
仏語。人間の身・口・意によって行われる善悪の行為。
前世の善悪の行為によって現世で受ける報い。「が深い」「をさらす」「を滅する」
理性によって制御できない心の働き。

なり【業】

生活のための仕事。生業。なりわい。
「ひさかたの天路(あまぢ)は遠しなほなほに家に帰りて―をしまさに」〈・八〇一〉

わざ【業】

おこない。行為。所業。しわざ。「神のみ―」「人間―」
職業。仕事。「物書きを―とする」
こと。ありさま。おもむき。「容易な―ではない」「腹ふくるる―」
仏事。法要。
「安祥寺にてみ―しけり」〈伊勢・七七〉
たたり。害。
「―をするものはだますといふほどに」〈虎明狂・附子

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百科事典マイペディアの解説

業【ごう】

仏教の基本的概念の一つ。サンスクリットkarmanの訳。本来は行為の意味。因果思想と結合し業はその善悪に応じて果報を与え,死によっても失われず,代々伝えられると考えられる。
→関連項目縁起ジャイナ教六道惑業苦

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世界大百科事典 第2版の解説

ごう【業】

行為を意味するサンスクリットのカルマンkarmanの漢訳語。善人も悪人も死んでしまえばみな同じだというのは不公平だという考えをもとに,インドではブラーフマナ文献あたりから因果応報思想が見え始める。それがウパニシャッド文献では,輪廻思想の成立とともに急速に理論化されるにいたった。行為は,身体的な行為(身業),語るという行為(口業),思うという行為(意業)に分類されるが,それらの行為はその場かぎりで消えるのではなく,不可見のいわば潜勢体(功徳と罪障,法と非法)として行為の主体につきまとう。

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大辞林 第三版の解説

ぎょう【業】

仕事。業務。職業。 「代々医を-とする」
学問や技能を身につけようとすること。勉強。 「 -を修める」

ごう【業】

〘仏〙 〔 karman〕 身体・言語・心による人間の働き・行為。行為は必ずその結果をもたらし、また現在の事態は必ずそれを生む行為を過去に持っているとする思想は、インド思想に広く見られる。カルマ。羯磨かつま。 ↔ 果報
人が担っている運命や制約。主に悪運をいう。 「 -が深い」

なり【業】

暮らしをたてるための仕事。生業。なりわい。 「荒雄らは妻子めこの-をば思はずろ/万葉集 3865

わざ【業】

なんらかの意図をもってなしたこと。また、その行為。おこない。振る舞い。 「妄想のなせる-」 「凡人のなしうる-ではない」 「神-」
務めとしてすること。習慣となっている行為。仕事。 「裁ち縫いの-に励む」 「まどろまであはれいく夜になりぬらむただ雁がねを聞く-にして/和泉式部日記」 「人の物を盗み取るを以て-とす/今昔 12
ありさま。事情。事の次第。 「この影のやうにや痩せて侍る、あはれなる-かな/源氏 須磨」 「人に越えられからい目見る事は、さのみこそおはしある-なるを/大鏡 為光
方法。手立て。手段。 「夢のさとしありければ、ちがふる-もがなとて/蜻蛉 」 「風をふせく便りもなく雨をもらさぬ-もなし/平家 9
重大な意味のこめられている行為や行事。 「 - (=出産)をしつるともおぼされず/宇津保 蔵開上」 「御-(=仏事)のことなどいそがせ給ふころ/大和 97」 「五穀に-(=災)もなさず/仮名草子・伊曽保物語」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


ごう

サンスクリット語のカルマンkarmanの訳語。もともとクルk(為(な)す)という動詞からつくられた名詞であり、したがって行為を示す。しかし一つの行為は、原因がなければおこらないし、また、いったんおこった行為は、かならずなにかの結果を残し、さらにその結果は次の行為に大きく影響する。その原因・行為・結果・影響(この系列はどこまでも続く)を総称して、業という。それはまず素朴な形で、いわゆる輪廻(りんね)思想とともに、インド哲学の初期ウパニシャッド思想に生まれ、のち仏教にも取り入れられて、人間の行為を律し、また生あるものの輪廻の軸となる重要な術語となった。すなわち、善因善果・悪因悪果、さらには善因楽果・悪因苦果の系列は業によって支えられ、人格の向上はもとより、悟りも業が導くとされ、さらに業の届く範囲はいっそう拡大されて、前世から来世にまで延長された。しかしわれわれは、現在の行為の責任を将来自ら引き受ける、という意味に考えてよいであろう。確かに行為そのものは無常であり、永続することはありえないけれども、いったんなした行為は消すことができず、ここに一種の「非連続の連続」があって、それを業が担うところから、「不失法」と術語される例もある。なお仏教では、身(しん)・口(く)・意(い)の三業といい、身体とことばと心とはつねに一致して行為に現れる、とした。また初期の仏教は、業をもっぱら個人の行為に直結しているが、やがては社会的に拡大して多くの個人が共有する業を考えるようになって、これを共(ぐう)業とよび、個人ひとりのものは不共業と名づける。また身・口・意の三業はきわめて多岐にわたり複雑を極めるので、仏教の教理の進展や確立とともに、業の分析が盛んに行われて、それに基づく詳細で精密な業説が、いわゆる仏教哲学の中心問題の一つを占める。[三枝充悳]
『舟橋一哉著『業の研究』(1954・法蔵館) ▽大谷大学仏教学会編『業思想の研究』(1975・文栄堂書店)』

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世界大百科事典内のの言及

【因果】より

…原因と結果のこと。特に仏教用語として用いられる場合は,(ごう)思想と結びつき,自己の存在のあり方にかかわる因果性をいう。すなわち〈善因善果・悪因悪果〉という言葉で表現されるように,たとえば,人間あるいは天人として生まれるという善の結果を,あるいは地獄・餓鬼・畜生として生まれるという悪の結果を得るのは,前世の自己の善業あるいは悪業を原因とするという考えである。…

【因果応報】より

…もはや倫理を超えた異次元の問題を指向しなければならなくなったのである。 仏教はそこに〈業(ごう)〉の理を導入した。とは本来は単に人間の行為のことであるが,一つの行為は必ず善悪・苦楽の応報をもたらすという因果観と結びつくことで,業は一種のパワーとみなされ,そこから過去・現在・未来の三世にわたる輪廻(りんね)の思想が,しだいに中国人の生死観に定着するようになった。…

【ジャイナ教】より

…ジャイナ教は,こうした相対主義を思想的支柱として,後世ベーダーンタ学派の不二一元論やサーンキヤ学派の二元論,また仏教の無常論などと思想的に対抗して,インド思想史上無視できない重要な位置を占めるにいたった。
[宇宙観と業,解脱論]
 ジャイナ教の宇宙観は,その特色ある存在論を基礎とする。あらゆる存在は霊魂(ジーバjīva。…

【説一切有部】より

…また特に心と相伴う関係にあるのではなく,物でも心でもなく,それらの間の関係とか力,また概念などの心不相応行法(チッタビプラユクタ・サンスカーラダルマcittaviprayukta‐saṃskāradharma,これも上の70ほどの法に含まれている)の存在を認めた。業論としては,極端な善・悪の行為をなしたとき,人間の身体に一生の間,その影響を与えつづける無表色(アビジュニャプティルーパavijñaptirūpa)が生ずると主張した。これは現代では心理的影響と考えられるが,有部はこれを物質とみたところに特徴がある。…

【善】より

…【島田 虔次】
[インド]
 日本で用いられる〈善〉という言葉は,しばしば仏教語としての善である。これは,サンスクリットの〈プニヤpuṇya〉とか〈スクリタsukṛta〉などの漢訳語であり,いずれも〈善業〉のことを指している。(カルマン)というのは,直接には外的な行為のことであるが,同時に,その行為が残す,実体ともいうべき潜在的な力のことも意味する。…

【ヒンドゥー教】より

…1カルパは1000マハーユガに相当し,1マハーユガはクリタユガ,トレーターユガ,ドバーパラユガ,カリユガから成り,後のユガは前のユガよりも人間の信仰・道徳性などにおいて低下しており,現在は前3102年に始まった暗黒期にあたるカリユガに当たっており,この期の終りに大帰滅が起こるといわれている。(2)業と輪廻 人間は死んで無に帰するのではなく,各自ののために,来世において再び新しい肉体を得る。このように生死を無限に繰り返す。…

【輪廻】より

… まずインドでは,前8~前7世紀ごろからウパニシャッド哲学において種々の輪廻説が論じられた。そこに共通にみられる主張は,死後,生前の行為((ごう)=カルマン)によってその人の主体が他の生物の母胎に入るか,あるいは植物のようなものになる,というものであって,その転生のあり方は善因善果,悪因悪果の応報説にもとづいていた。この輪廻転生は迷いの状態とされ,宗教的実践や倫理的行為によって,生まれ変わり死に変わる生き方から解放されるという考え方がおこった。…

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