ヘボソ塚古墳(読み)へぼそづかこふん

日本歴史地名大系 「ヘボソ塚古墳」の解説

ヘボソ塚古墳
へぼそづかこふん

[現在地名]東灘区岡本一丁目

おさ塚・業平なりひら塚ともいう。六甲ろつこう山地南麓の斜面に位置する前方後円墳。四世紀前半の築造と考えられる。標高は約二五メートル。現在は墳丘の一部を残すにすぎない。前方部を西北西に向ける。全長は約六〇メートル、後円部の径約三〇メートルと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘボソ塚古墳」の意味・わかりやすい解説

ヘボソ塚古墳
へぼそづかこふん

神戸市東灘(ひがしなだ)区本山町岡本マンバイにある前期の前方後円墳。1895年(明治28)の乱掘の際、後円部から小形の竪穴(たてあな)式石室が発見された。出土品はいったん散逸したが買い戻されて、いま東京国立博物館に、中国製とみられる銅鏡六面のほか、石釧(いしくしろ)2、勾玉(まがたま)1、琥珀(こはく)製棗玉(なつめだま)1、管玉(くだたま)13、小玉120などが保管されている。

 現在は個人の住宅の庭園となり、後円部の一部をわずかに残すのみである。葺石(ふきいし)はあるが、埴輪(はにわ)の存否は不明。在原業平(ありわらのなりひら)の墓だという伝承もある。

[石部正志]


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