ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘンリー1世」の意味・わかりやすい解説
ヘンリー1世
ヘンリーいっせい
Henry I
[没]1135.12.1. ノルマンディー,リヨンラフォレ
イギリス,ノルマン朝のイングランド王 (在位 1100~35) 。征服王ウィリアム1世の末子。長兄はノルマンディー公ロベール,次兄のイングランド王ウィリアム2世を継いで即位。「自由の憲章」を発布,前王時代の政治の非を率直に認め,教会には自由を,貴族には王の封建秩序の遵守を,民衆には罰金の軽減と平和の確保などを約束した。 1101年フランドル伯ロベール2世と同盟してノルマンディーを攻略,06年兄ロベールを捕虜とし,その死 (34) まで投獄,公国を併合した。大陸領土の領有をめぐりフランス王ルイ6世と長く対立したが,娘マティルダとアンジュー伯ジョフロア・プランタジネットとの結婚によってアンジュー伯との長い敵対関係に終止符を打った。国内では国王の巡回裁判などの司法制度の充実,財政組織の確立,王政庁の整備に努め,教会政策としては,司教や修道院長の任命に関する国王の影響力の拡大をはかった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報