ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベインブリッジ」の意味・わかりやすい解説
ベインブリッジ
Bainbridge, Dame Beryl
[没]2010.7.2. ロンドン
イギリスの作家。フルネーム Dame Beryl Margaret Bainbridge。鋭い心理描写で中流下層階級のイギリス人の生活を描いた作品で知られる。女優として各地の劇団に参加し活躍していたが,作家に転じた。しばしば笑いと恐怖を織り交ぜて日常生活にひそむ暴力を描いた。初期は半自伝的な小説が多いが,のちの作品では歴史上の人物や史実を題材にとった。1967年にみずからの経験をもとにした作品 "A Weekend with Claud"でデビュー。1950年代に初めて書いた小説 "Harriet Said"は,2人の少女が男性を誘惑してその妻を殺害するという物語で,1972年に出版された。"The Dressmaker"(1973。1988映画化),"The Bottle Factory Outing"(1974),『恋する予感』An Awfully Big Adventure(1989。1995映画化),"Man of Himself"(1996),"Master Georgie"(1998)の 5作品がブッカー賞の最終候補に残り,"Injury Time"(1977),"Every Man for Himself"(1996)がウィットブレッド賞を受けた。2000年デームに叙された。(→イギリス文学)
ベインブリッジ
Bainbridge, William
[没]1833.7.27. フィラデルフィア
アメリカの海軍軍人。 1790年代西インド海域で活躍。バーバリ諸国 (北アフリカのイスラム国) との戦いでフリゲート艦『フィラデルフィア』号を指揮し,1803年トリポリで捕獲され投獄された。 05年釈放され帰国。 12年アメリカ=イギリス戦争で『コンスティチューション』号を指揮,イギリス軍艦『ジャバ』号を捕獲した。この戦争ののち退役。
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