ベゼリ石(読み)べぜりせき(その他表記)veszelyite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベゼリ石」の意味・わかりやすい解説

ベゼリ石
べぜりせき
veszelyite

含水リン酸第二銅・亜鉛鉱物。かつて秋田県協和町(現、大仙(だいせん)市協和)荒川鉱山閉山)から発見されたときは、新鉱物として荒川石の名称が与えられたが、その後この鉱物に同定された。自形は短柱状をなすがまれ。二次的生成物とされているが、荒川鉱山ではこれを含む鉱物集合中に対応する初生銅・リン鉱物が見当たらず、二次的生成物としての取扱いが疑問視されている。命名は、最初の発見者であるハンガリーの鉱山技師ベゼリA. Veszelyi(1820―1888)にちなむ。

加藤 昭]


ベゼリ石(データノート)
べぜりせきでーたのーと

ベゼリ石
 英名    veszelyite
 化学式   (Cu,Zn)2Zn[(OH)3|PO4]・2H2O
 結晶系   単斜
 硬度    3.5~4
 比重    3.42
 色     暗青~緑青
 光沢    ガラス
 条痕    淡青
 劈開    二方向に明瞭
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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