ドイツの化学者E・O・ベックマンが発明した温度計。温度変化を精密に測定する温度計である。測定目盛り板の長さ約30センチメートルのところに5℃の温度間隔が刻まれている。したがって温度の変化量を100分の1℃まで読み取ることができる。この温度計の特徴は上部にも水銀溜(りゅう)をもっていることである。もし目的とする温度、たとえば100℃付近で温度を精密に測りたいが、水銀柱が目盛りを越えてしまう場合には、100℃よりも2~3度高温のところに下部の水銀溜を置き、上部の水銀溜に水銀の一部を移して、100℃程度でちょうど目盛り板の中央付近に水銀柱がくるように調節すればよい。
[渡辺 昂]
ドイツの化学者E.O. Beckmann(ベックマン)の考案による,数度の温度変化をきわめて精密に測定できる封入型水銀温度計.下部の水銀球の体積は大きく,目盛りの部分はきわめて細い管になっている.上部に水銀をためる部分があるのが特徴で,目盛りは6 ℃ の間を0.01 ℃ ごとに目盛ってあり,目盛りには上昇用と下降用とがある.使用するときには,下部の水銀の量を調節するために,この温度計を逆さにして水銀を上部に移す.測定するとき,水銀の先端が目盛りの範囲に入るように調節すれば,その付近の温度変化を細かく測ることができる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一定期間中の最高温度,最低温度の一方または両方を,後から読み取ることができるように作られた液体温度計もある。また,ベックマン温度計は,補助の液だめを備えた水銀温度計で,0.001℃程度の微小温度差の測定に用いられる。【高田 誠二】。…
…1886年,ケトオキシムは酸性でアミドを作用させると急激に反応が生じ,いわゆる〈ベックマン転位〉反応となることを明らかにした。また彼が発明したベックマン温度計は,沸点上昇,凝固点降下の測定を可能にし,有機化合物の分子量測定に広く用いられている。【徳元 琴代】。…
※「ベックマン温度計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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