日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベックマン温度計」の意味・わかりやすい解説
ベックマン温度計
べっくまんおんどけい
ドイツの化学者E・O・ベックマンが発明した温度計。温度変化を精密に測定する温度計である。測定目盛り板の長さ約30センチメートルのところに5℃の温度間隔が刻まれている。したがって温度の変化量を100分の1℃まで読み取ることができる。この温度計の特徴は上部にも水銀溜(りゅう)をもっていることである。もし目的とする温度、たとえば100℃付近で温度を精密に測りたいが、水銀柱が目盛りを越えてしまう場合には、100℃よりも2~3度高温のところに下部の水銀溜を置き、上部の水銀溜に水銀の一部を移して、100℃程度でちょうど目盛り板の中央付近に水銀柱がくるように調節すればよい。
[渡辺 昂]