ベニンシティ(英語表記)Benin City

改訂新版 世界大百科事典 「ベニンシティ」の意味・わかりやすい解説

ベニン・シティ
Benin City

西アフリカ,ナイジェリア南部の都市。人口22万4000(1995)。ニジェール川デルタの湿地帯北部を流れるベニン川流域の熱帯雨林に囲まれている。ゴムヤシ栽培,木材伐採と加工,家具,カーペットの生産が経済の中心である。13世紀ころに出現したベニン王国首都として14~17世紀に繁栄し,15世紀後半からは奴隷象牙コショウなどの貿易に携わった。ベニン王国は1700年以後衰退したが,町は19世紀にヤシ油貿易などで復活した。しかし1897年イギリスはこの町を征服し焼き払った。13世紀からの鉄細工,象牙彫刻,ブロンズ製品はアフリカで最もすぐれた伝統工芸といわれる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニンシティ」の意味・わかりやすい解説

ベニン・シティ
べにんしてぃ
Benin City

西アフリカ、ナイジェリア南部、エド州の州都。ニジェール川デルタの北西部に位置する。人口22万3900(1995)。15~17世紀に栄えたベニン王国の首都。かつては規模が大きく、よく整備された都市であったが、1897年にイギリスとの間で殺害事件が起きて焼き払われた。しかし城壁の跡はいまも町に残っている。13世紀にさかのぼるといわれる青銅細工や木彫品は有名である。現在はラゴスへの高速道路も完成し、商業都市として発展しつつある。製材、ゴム加工、ビール醸造の工場がある。ベニン大学の所在地。

[島田周平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ベニンシティ」の意味・わかりやすい解説

ベニン・シティ

ナイジェリア南西部,ギニア湾岸から約90km,ニジェール川三角州にある都市。交通商業要地空港がある。ゴム,ヤシの栽培,木材加工などが行われる。13世紀ころヨルバ人が一帯ベニン王国建国,その主都として整備され繁栄した。18世紀に衰退,1897年英国に占領された。131万1000人(2010)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android