ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボロンツォフ」の意味・わかりやすい解説
ボロンツォフ
Vorontsov, Vasilii Pavlovich
[没]1918.12.
ロシアの経済学者。ペンネームの V.V.で知られる。 1870年代にナロードニキの秘密結社「チャイコフスキー団」に近づき,80年代初めから合法誌に人民主義の立場から多くの経済論文を発表した。ロシアにおいては,資本主義の発達は望ましいことでも,可能なことでもないと主張し,P.B.ストルーベ,G.V.プレハーノフ,レーニンらと論争を行なった。
ボロンツォフ
Vorontsov, Aleksandr Romanovich
[没]1805.12.14.
ロシアの政治家。外交官としてイギリス,オランダに在勤。帰国後,エカテリーナ2世 (大帝)の外交顧問のかたわら,商相をつとめ,フランスとの通商交渉に努力したが,フランス革命が勃発して水泡に帰した。 1802~04年宰相。ナポレオン1世との断交を行い,フランスに対抗するためイギリスと結んだ。
ボロンツォフ
Vorontsov, Mikhail Semënovich
[没]1856.11.18. オデッサ
ロシアの政治家,軍人,元帥。 1806~14年にかけてナポレオン軍との戦いに活躍。 23~44年ノボロシアおよびベッサラビアの総督として,この地方の農業問題の改善に努めた。 44~54年コーカサス (カフカス) 地方総督。穏健な自由主義的官僚として,行政的手腕を発揮した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報