ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボンビエリ」の意味・わかりやすい解説
ボンビエリ
Bombieri, Enrico
イタリアの数学者。1963年ミラノ大学で博士号を取得。1966年ピサ大学,1974年ピサ高等師範学校を経て,アメリカ合衆国のプリンストン高等研究所 IASの IBMフォン・ノイマン教授。1974年にカナダのバンクーバーで開催された国際数学者会議において,整数論に関する業績によりフィールズ賞を受賞した。ボンビエリの業績は多岐にわたるが,最も顕著なものの一つは,素数分布(→素数)に関する定理である。これは,1742年のクリスティアン・ゴールドバハによる予想に由来する。ゴールドバハ予想とは,4よりも大きい任意の偶数は二つの奇素数の和で表されるというもので,未解決のままである(→加法的整数論)。ボンビエリはロシア人数学者のイワン・ビノグラードフ,中国人数学者の陳景潤らによる部分的な結果を拡張した素数分布についての密度定理を,ゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマンによる仮説などの手段を用いることなく証明した。ボンビエリの研究分野は,偏微分方程式,代数幾何学,極小曲面,組合せ論などにも及んでいる。
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