日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボンブ熱量計」の意味・わかりやすい解説
ボンブ熱量計
ぼんぶねつりょうけい
bomb calorimeter
液体または固体の燃焼熱を測定する熱量計の一種。普通に用いられる装置はフランスのベルトロの考案したもので、鋼製のじょうぶな容器中に、一定量の試料と約30気圧の酸素を入れ、容器の口を閉じ、これを熱量計の水中に浸し、試料を電気的点火により燃焼させ、熱量計の温度上昇ΔTを測定する。
実測に際してあらかじめ熱量計の熱当量を知ることが必要であり、また鉄線の燃焼熱(1グラム当り89.6カロリー)は補正として差し引かなければならない。
燃焼熱=(熱量計の熱当量)×ΔT
で表されるから、熱量計の熱当量を知れば燃焼熱が求められる。熱量計の熱当量はボンベ、水、容器を含めた熱容量で、燃焼熱既知の標準物質の燃焼による温度上昇より求める。標準物質としては安息香酸を用いる。温度上昇は白金抵抗温度計またはベックマン温度計で測定する。
[成澤芳男]