ボンベ(読み)ぼんべ(英語表記)bomb 英語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボンベ」の意味・わかりやすい解説

ボンベ
ぼんべ
bomb 英語
cylinder 英語
Bombe ドイツ語

水素、酸素、液化天然ガス(プロパンガス)、液化石油ガスなどの圧縮ガスを入れ、それを貯蔵運搬、使用の目的に使うための鋼製の耐圧容器。比較的高くない圧の液化ガス、たとえばアンモニア、プロパン、ブタンなどを入れるのには、溶接などで組み立てられた厚さの薄い容器が用いられる。一方、150気圧ぐらいの高圧ガス、たとえば水素、酸素、窒素アルゴンヘリウムメタンなどを入れるのには、耐圧性の大きな継ぎ目なしの厚い容器を用いる。通常7立方メートル(1気圧換算気体容積)、高さ1.5メートルぐらいの大形、1.5立方メートル(1気圧換算気体容積)、高さ1メートルぐらいの小形などがある。ボンベは入れるガスの種類によって外部の塗装の色を定めてあり、間違いによる危険を防止している()。ボンベに入った気体を使うのには、減圧弁を取り付けて圧を下げて取り出す。減圧弁にも低圧用と高圧用があり、いずれによるにしても放出ガスの圧と流量が微調整できるようになっている。ボンベは直射日光、火や振動を避け、また転倒防止の架台や鎖で固定して使う。

[戸田源治郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボンベ」の意味・わかりやすい解説

ボンベ
Bombe; bomb

高圧ガス容器。原義爆弾で,名称は英独とも炸裂音の擬声語による。鋼または軽合金製で,低圧用は板材を溶接した壺形,高圧用は継ぎ目なし鋼管を鍛圧した円筒形で,内圧力は5~200気圧,容量は通常5~500lであるが,ライターや炊事用燃料ガスの小型携帯用もある。充填は酸素,水素,ハロゲン,希ガス類の圧縮ガス,およびエチレン,プロパン,アンモニア,天然ガスなどの液化ガスなど,ほとんどあらゆる種類の気体が可能で,圧縮機で押込み,あるいは液化後注入する。高圧ボンベは爆発の危険が大きく,またガスの種類により管の内壁が浸食されることもあるから,用途,材質,製法については JISできびしく規定されており,ガスの種類は色分けで表示される。ガス出口には流量調整弁のほか圧力計をつけて残量を示す。

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