ポルクス石
ぽるくすせき
pollucite
沸石の一種。まれに六面体、十二面体の結晶形を示すが、普通は粒状ないし塊状の鉱物。一見石英に似ているが、硬度がやや低く、比重が大きい。風化すると白濁して表面がざらざらしてくる。リチウムに富む花崗(かこう)岩ペグマタイト中に、石英、カリ長石、鱗雲母(りんうんも)、リチア輝石、ペタル石などと産する。日本では、福岡市長垂(ながたれ)、茨城県常陸太田(ひたちおおた)市妙見山などに産する。英名は、ペタル石(葉長石、当初はカストル石castoriteとよばれていた)とつねに共存していたところから、星座のふたご座をもじり、本鉱をポルックスpollux(ふたご座β(ベータ)星)と見立てたことに由来する。
[松原 聰]
ポルクス石(データノート)
ぽるくすせきでーたのーと
ポルクス石
英名 pollucite
化学式 (Cs,Na)AlSi2O6・nH2O*
少量成分 Rb,Ca
結晶系 等軸
硬度 6.5~7
比重 2.9
色 無,白
光沢 ガラス
条痕 白
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
その他 *Cs+n=1
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のポルクス石の言及
【希元素鉱物】より
…以下の鉱物などが希元素鉱物と呼ばれている。元素の周期表上でIA族の希アルカリ元素すなわちリチウム,ルビジウム,セシウムの鉱物でリシア雲母lepidolite K(Li,Al)3(Si,Al)4O10(F,OH)2,ポルクス石pollucite (Cs,Na)2Al2Si4O12・H2O等。IIA族ではベリリウムの鉱物で[緑柱石]Be3Al2Si6O18等。…
※「ポルクス石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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