リチア輝石(読み)りちあきせき(英語表記)spodumene

翻訳|spodumene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リチア輝石」の意味・わかりやすい解説

リチア輝石
りちあきせき
spodumene

長柱状あるいは厚板状の結晶をなす輝石の一種で、輝石中もっとも硬度が高い。花崗(かこう)岩ペグマタイトから、石英長石白雲母(しろうんも)、鱗(りん)雲母、リチア電気石などと産する。リチウムの原料として採掘されるほか、桃色透明なものはクンツ石kunzite、緑色透明なものはヒデナイトhiddeniteといって宝石に使われる。ブラジル、マダガスカル、アメリカなどから産する。日本では、茨城県常陸太田(ひたちおおた)市妙見(みょうけん)山から少量発見されている。学名は灰になるという意味のギリシア語に由来するが、この鉱物が一般的には灰色をしているところからつけられたのか、熱すると灰色の塊になるところからつけられたのかのいずれかである。

松原 聰]



リチア輝石(データノート)
りちあきせきでーたのーと

リチア輝石
 英名    spodumene
 化学式   LiAlSi2O6
 少量成分  Na,Fe
 結晶系   単斜
 硬度    6.5~7.5
 比重    3.2
 色     灰白,淡桃,淡緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目参照

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